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『デットライン』(千葉雄也 2019-22年 新潮文庫)

 現代思想を復習しようと思って、たまたま著者の『現代思想入門』を読んでいたので、今回は本書を選んだ。

 『現代思想入門』は、ここ100年くらいの関連する著作を概観するものだったので、小説の体裁を取った本作は理屈っぽい。だが、主人公を中心に据えた物語は、事細かに記されていて、ページは異常な速さで進む。しかし、それだけに説得力がなく面白くないし、深みもない。

 学者は、そういうことも出来るのか、という感想だった。

 こういう系列の小説は結構あって、興味関心のある人はドーゾという感じ。得意技が違うが松本清張の方が、私は好き。もっと細部に分け入った方が、良かったのではないだろうか。


by ihatobo | 2022-10-08 12:15