イーハトーボ
2024-03-18T09:06:49+09:00
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『十年後の恋』辻仁成著 2024年1月 集英社文庫
http://ihatobo.exblog.jp/242113069/
2024-03-17T12:30:00+09:00
2024-03-18T09:06:49+09:00
2024-03-17T12:30:50+09:00
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店主に代わりわたくし木花なおこが、本の紹介やいーはにまつわるあれこれなどをUPしてゆきます。どうぞよろしくお願い致します。
パリで生まれ、完璧なフランス語を話す日本人のバツイチシングル・マザー、マリエ。何不自由なく温かい両親のもとで育ったマリエだが、フランス人社会の中にあっては、遺伝子的な違和感をいつも持ち続けていた。マリエが異邦人という立場なので、その違和感分かりやすかった。けれど、この社会の中での違和感は、おそらく、口には出さないけれど、多くの人が持っているものではないだろうか?だからマリエが恋に求めるものとは、おそらく多くの人が恋に求めるものであると思った。恋愛は人との距離感をぐっと縮めるものゆえ、誰もが恋のとりこになり得る。けれど、マリエの恋はそう簡単には進まない。この物語は、最後の最後まで恋の行方が分からない。行方が気になって、一気に読み進めてしまった。パリの街の描写は楽しかったが、コロナ渦のフランス社会でのアジア人への人々の視線には、アジア人として胸が痛んだ。 ]]>
『デットライン』(千葉雄也 2019-22年 新潮文庫)
http://ihatobo.exblog.jp/241611087/
2022-10-08T12:15:00+09:00
2022-10-08T12:15:50+09:00
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『現代思想入門』は、ここ100年くらいの関連する著作を概観するものだったので、小説の体裁を取った本作は理屈っぽい。だが、主人公を中心に据えた物語は、事細かに記されていて、ページは異常な速さで進む。しかし、それだけに説得力がなく面白くないし、深みもない。 学者は、そういうことも出来るのか、という感想だった。 こういう系列の小説は結構あって、興味関心のある人はドーゾという感じ。得意技が違うが松本清張の方が、私は好き。もっと細部に分け入った方が、良かったのではないだろうか。 ]]>
『for ティーンズ』(「竹取物語」 木ノ下裕一 NHK番組テキスト)
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2022-09-06T10:34:00+09:00
2022-09-06T10:34:19+09:00
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仕事中は、のんびりしている訳にはいかないから、その大半は電車の内や自分の部屋、家族との食事時に、そう言われる。しかし、そのうち大半は以前キチンと応対したことなので、自分で思いだしたらどうだ、と思うのだが聞こえなかった場合もあるから、もう一度声を大きくして繰り返す。すると、なんで怒っているのか分からない、と返される。つまり、私は周囲から大切に思われているから、私の発言を正確に受け止めようと質問をし、心配していると言うことになるから、会話が湧き違う。 「竹取物語」は、そうやって読んでゆくと“かぐや姫、月、神秘”というキーワードが絡み合って複雑な話になっていることが分かる。ということは、単純に面白いのだ。なぞ解きと同様に、それまでのデータを材料に、この物語は何を言っているかを探る、という楽しさを持っている、と私には思えるのだ。 本書の著者は最後に、それだけの裏付けを持って“どんどん物語の中に、逃げ込んで下さい”と書いている。さらに、語源解説のオチも付いている。オスオスメです。 ]]>
『近代日本 150年』(山本義隆 岩波新書 2018年)
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2022-08-26T10:34:00+09:00
2022-08-26T10:34:50+09:00
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それだけではなく、現在の技術万能の世の中を歴史化していると言える。本人が一貫して追ってきた歴史が、そこにうごめいているからだ。これらは、綿密な資料の読み込みから生まれたものだろうが、その量がハンパではないのが読んでいて、よく分かった。 誠実な行が並んでいる。 ]]>
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2022-07-20T13:42:00+09:00
2022-07-20T13:51:40+09:00
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皆さまには、大変ご迷惑をお掛けしますが、ご理解ご協力の程、よろしくお願いします。
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『掃除婦のための手引き書』(ルシア・ベルリン 訳・岸本佐知子 講談社2019年)
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2022-06-01T09:35:00+09:00
2022-06-01T09:35:14+09:00
2022-06-01T09:35:14+09:00
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北アメリカやヨーロッパは、各々の地域から人が集まり民族や言語によって、その地域が共同体を作って集合した、いわば編集された大組織。本作も冒頭のわずか12行の中に、4カ国語の名前や地名、ウアソというカウボーイが登場して、色彩に色取られている。 そして、人物を説明するのに文学に登場するキャラクターを使って奥行きが深まる。物語の舞台は、その地域のホテルだが、そこにチリの軍人が二人登場し、主人公の二人の少女と出逢う。彼らは二人と各々にダンスを踊る。しかし、二人は各々別の部屋に戻る。 そこで、父親は二人に問う。何があったのか、と。始めは二人とも応えない。しかし、問い詰めると父親の想い通りなのが判明。父は厳しく振る舞う。事実は父の想う通りだったのだ。 で、作者は、それを認めるのだが、いやー、私は父を味方している自分を発想するのであった。]]>
『現代思想入門』(千葉雅也 講談社 現代新書 2022年)
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2022-05-11T09:28:00+09:00
2022-06-03T19:43:34+09:00
2022-05-11T09:28:13+09:00
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それはそうとして、ラカンの記述は複雑で、簡単に解説できるものではない。しかし、その不可能性自体が記述を推し進めていく、というタコ足配線のようになっていて、何度も読み返していると調子(ビート)が出て来る。そうすると、読む者は調子付いて楽しくなる。という仕組みになっている。 その他に、本作の記述で大変魅力的なのが、――それがすべての自立の始まりなのです。(…)偶然性です。母なる偶然性です。(…)――という記述。 この箇所を読むと、店の運営と全く同じだと思える。哲学っていうのは面白いのだ、ということです。 オススメできる本が、また1冊見つかったと思いました。 ]]>
営業時間のお知らせ
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2022-04-22T09:00:00+09:00
2022-04-22T09:09:02+09:00
2022-04-22T09:09:02+09:00
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『現代音楽』(アンドレ・オニール 著 吉田秀和 訳 白水社 クセジュ文庫 1956年)
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2022-04-19T10:25:00+09:00
2022-04-19T10:25:35+09:00
2022-04-19T10:25:35+09:00
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ジャズは、そのリズムを中心にしたアクセントや小節のアレンジを、本領発揮として展開されている。しかし、それはたかだか100年ぐらいのもので、本書「現代音楽」のように現代は、そう呼ばれてから既に久しい。 その期間(100年)に、音楽は民謡、ポップスから西欧のクラッシックまで様々。本書は、そのクラシックを扱っているのだが、現代では世界の色々な地域で、その地域の歌、楽曲が日々、生まれている。私達の店でもジャズからワ-ルドミュージック、つまり近代音楽以降を丁寧に鳴らしている。 本書は、つまりポスト・モダンの音楽を扱い、楽曲の分析もされており、内容の裏付けもされている。私は年代的に、これらの音楽が作られた頃に生まれ、その後、学校で習った世代に属する。 中学に入ってからはレコードをかけ、解説するという教師がおり、サウンド・トラックやヒットナンバーに混じって、本書に出てくるハチャトリアン(剣の舞)やニーノ・ロータなども流され解説した。 丁度その頃は、ビートルズが世界へ飛び出した時期だから、そのレコードもかかったかも知れないが、覚えてはいない。高校に入ってからは、来日公演もあり英語が得意な生徒が、歌詞を読んで(発音して)特別授業が行われたこともあった。(つづく) ]]>
『津田梅子 科学の道、大学の夢』(古川安 東京大学出版会 1922年)
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2022-04-11T10:46:00+09:00
2022-04-11T10:46:11+09:00
2022-04-11T10:46:11+09:00
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それは、著者を知らずとも本書を読めば、本人の目指した事柄を知ることが出来るし、業績や履歴、果ては本人のパーソナリティを伺い知ることが出来るから、それを持って読み返してゆけば、その生きた社会の真相が分かるからである。 そうした意味で津田梅子は、ことさらに性差を語ることもなく、自らの生き方を自ら決め、そして実現してきた、現実に相応しい存在であることが私は嬉しかった。そして孤立無縁の喫茶店経営に力を頂いた気がする。 実際、ひとりで店を経・運営するのは、大変な努力を要するのだ。自分の経験と感性だけが、明日を開く。もうひとつ私の体力が、この先いつまで続くのかが問題だが、それは体力が尽きたあと、考えればいいのである。 さぁ、明日も頑張ろう。 ]]>
【営業時間のお知らせ】
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2022-03-05T10:33:00+09:00
2022-03-05T10:33:31+09:00
2022-03-05T10:33:31+09:00
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【従来の営業時間】開店12:00~閉店23:00 ですが、まん延防止等重点措置の延長により、下記のように営業致します。 【期間】2022年3月7日(月)~2022年3月21日(月)【時間】開店12:00~閉店20:00【お酒の提供】お酒類の提供はあります(20:00時まで)【人数】1グループ4人まで 皆様にはご迷惑をおかけしますが、何卒、よろしくお願い申し上げます。コロナに負けないように頑張っていきましょう! いーはとーぼ 店主 ]]>
『臆病な詩人、旅に出る』(文月悠光 新潮文庫2018年)
http://ihatobo.exblog.jp/241381823/
2022-03-04T22:11:00+09:00
2022-03-04T22:11:09+09:00
2022-03-04T22:11:09+09:00
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アストル・ピアソラの来日時に聞いた彼の演奏が、「芯の強い」ものでありポルトガル圏でいう“サウダージ(郷愁)”にも通じているのではないか、という指摘に私は頷いた。 つまり、実際にそこに確かにあるのに手が届かない、という心理的な葛藤が、それを享受するものに及ぼす苛立ちというか、歯がゆさが私のいう編集的ということで、本書主人公もその苛立ちを抱えて悪戦苦闘している。 どうも作者自身もそうらしく、今、流行しているというファスティング(断食)の虜なのかも知れない。 もっと普通に食を楽しんで暮らせばいいのに、と思った。が、それこそ余計なお世話なのかも知れない。 ]]>
『常設展示室』(浜田マハ 新潮文庫 2018年)
http://ihatobo.exblog.jp/241364211/
2022-02-14T08:45:00+09:00
2022-02-14T08:45:32+09:00
2022-02-14T08:45:32+09:00
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各地にある共同体を含めて、そうした狭い物語を広げ物語に仕上げる作家なのだ、と言う認識だったが、それはそれでその通りなのだが、もう少し奥行きがあった。 最終章は広かった物語に、自らの物語を重ね合わせ、時間的な軸を立てて、より自由な世界を書いている。父の不在や死亡、母親との確執も織り交ぜて物語は発展する。普通、それらは暗くなりがちだが、実に清々しく明るい。 それは作者自身が、“美しさ”というものに絶望しているからだろうか。他の作品も読みたくなった。 ]]>
【営業時間のお知らせ】
http://ihatobo.exblog.jp/241362203/
2022-02-12T10:34:00+09:00
2022-02-12T10:34:13+09:00
2022-02-12T10:34:13+09:00
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ありがとうございます。下記のように営業致します。 【期間】2022年2月14日(月)~2022年3月6日(日)【時間】開店12:00~閉店20:00【お酒の提供】お酒類の提供はあります(20:00時まで)【人数】1グループ4人まで 皆様にはご迷惑をおかけしますが、何卒、よろしくお願い申し上げます。頑張っていきましょう! いーはとーぼ 店主 ]]>
『ヒトの壁』(養老孟司 新潮新書 2021年)
http://ihatobo.exblog.jp/241354622/
2022-02-04T09:29:00+09:00
2022-02-04T09:29:49+09:00
2022-02-04T09:29:49+09:00
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そこで、様々な本を読むのだが述べられている内容はともかく、後半で述べられているヒトの「生老病死」に関するくだりは、私が最も納得するところで「生老病死」は、まず人類普遍で誰もが等しく体験する事柄。なのだが、ヒトひとりの命に関わるわけだから、生も老いも病や死もその当人にしか本当のところは分からない。このことを端折って言えば、矛盾。そこに自己言及が隠されている。言ってしまえば「こう」だが、そうは言えない。著者は「あぁすれば、こうなる」と書いているが、それが論理的であっても「それを言っちゃぁ、おしまぇよ」なのだ。 しかし、そこがいつも面白いのだ。講演でも、どこかで結論を言わねば、と待っているのだが、はぐらかされる。 店主としても同じで、お客様に何で来て下さったのですか?と尋ねるわけにも行かないが、その訳を知りたいのである。私が客で座っている時に、何で来たの?と言われても困るのと同じ。コーヒー飲みたいから、や、歩き疲れたから、座って一服したいから、と。その他にも、様々な“理由”があるに違いないが、「言わずもがな」なのである。つづく。かも知れない。 ]]>
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