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『ゾウの時間、ネズミの時間』(本川達雄 中公新書 1992年)

 この本は以前、私達が音楽本を造る際に、編著者の山下邦彦が参考図書に挙げていたので、編集顧問の立場であった私も読んでみた。

ゾウもネズミも生物であるが、その時間を扱った本書は、大変興味深かった。音楽は「時間の芸術」である。その意味で、一見、無関係な本を読んだのだろう。が、しかし、時間と芸術をつなげてワン・フレーズで断言できるものでもない。

 時間はアインシュタインがいうように、重力と関係が深い。あるいは、楽しい時間はすぐ去るが、退屈な時間は長い。何とも御しがたい対象である。

 彼は顧問の私に、思う所を物凄い勢いで語り、説明するのである。本書に出てくる「コープの法則」は、その曖昧な対象を「真実」として扱えるように考え出されたもので、進化とサイズの大小を比較・検証しようとする。生物学といえども、物理から天文を含む。

 そして、古生物学では「島の法則」というものがあり、島型生物と大陸生物では「サイズ」が違うという。ったく学問、研究はとんでもない「事実」を生み出すものらしい。

 横で見ていた私には、編著者の気が狂ったのではないか、と幾度となく感じたのであった。

 もちろん、本書著者も相当、変なんだと思うが。


by ihatobo | 2019-08-09 09:50