『不倫』(パウロ・コエーリョ 2014→16年 KADOKAWA)

 この作者は、ちょうど本作を発表した年のオリンピック/パラリンピンクの開催地、ブラジル・リオネジャネイロに生まれ、現在71歳という。日本の基準では「高齢者」になる年寄り。私は彼よりふたつ若いが、本作に扱われているような境遇にはない。といいたくなる程、精力的な執筆活動を30年以上続けている。

 デビュー作は『星の巡礼』(1987)で、原題が「コンポステーラ」。このあと、わが国でも同じ名のバンドが結成され、こちらのデビュー作は当店で売った。

ちなみに、現在のCD販売のスタイルを作ったのは、この「コンポステーラ」。200枚以上は、売れた。(今は亡きプロデューサー藤井さんが造った。そのバンド篠田昌己を亡くし、現在は、それぞれが活動を続けている。)

 本作にも度々出てくるのが、「光」が大変重要な役割を果たしている。この光が、パオロにあっては「星」である。篠田によると、コンポはコンパスのコンポ、星の方向、位置の意味だそう。美しいコトバだ。

 さて、本作の内容は、とてもスリリングで英語?のタイトルがアダルテリー。日本語の感じは、「大人ですもの」といったところか。ハラハラ、ドキドキである。しかし、とてもシビア。

 現代人の心の闇を、見事描いた傑作である。


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by ihatobo | 2018-04-21 05:29