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『家族依存症』(斉藤 学 1989・誠信書房→ 99・新潮文庫)

 著者もまた、連載コラムを読んでいたので、文庫化されたのを機会に、買ってきて読んだ。今回は、各回に小見出しがタイトルされていて、シンプルで共感するものが多かった。(東京新聞90年頃に1年以上は続いただろうか)

 当時、自身の問題として、母親(母性)を何とか自分の中で、対象化したいと思っていたので、コラムを愛読し、本書を読んだのだ。一般に母は子を大切にし、生き甲斐にするもの、と思われているが、私の認識は異なっていた。それは、不満とかではなく、不思議であった。

しかし、父親が本来の役割を果たさなければ、母性も輝くはずがない。私の父は単身赴任で、中学の頃から家にいなかった。その後、私が高校の頃に、家族は赴任先へ引っ越し、私は単身下宿生活となった。

 両親に、私の問題をぶつけてみようとなったのは、二人を介護するようになってから。その現場で本書に書かれていることは、私を勇気づけた。著者は、私より10歳ほど年長で親族の伯父を思わせて親しく読んだ。

 さて、本書は前回、触れた社会の最小単位である家族を、心理学の所見を使って、分析している。

 家族の面々と、問題を抱えている方にも、オススメである。







by ihatobo | 2017-10-27 09:55