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『ロリータ』(ウラジミール・ナボコフ 大久保康男・訳 1959→80年 新潮文庫)

 少女偏愛を、よくロリータ・コンプレックスと言うが、その語源?となった小説『ロリータ』を読み始めた。
 私が学生の頃には、このロリータ・コンプレックス(ロリコン)のコトバは一般化していたから、書名を知って読んでみたい、と思っていたが、最近になって本を整理していたら、新潮版の文庫本が出てきた。ページも割れている。
 この期に及んで、自分が持っていたのが恥かしい(つまり、ミーハーとして買うだけは買っておいた)が、ページを繰っている。第一部の終わり3分の1と第二部の初めを読んだが、私のように構えて読むような代物ではなく、一種のルポタージュ、旅日記、日々の日記/消息文の類でナァーンだ、という所である。

 次回は、そのルポルタージュの中身について述べたい。大戦間期にスイスとアメリカ合衆国が、ある理想として描かれている。近代の所産である鉄道、モータリゼーション、野趣、絵画(写生)など盛りだくさんである。
 そして、女性と、もうひとりの主人公である幼女に対する悲喜諸々は、私の親のものだろう。「おれには、まだ拳銃もあるし、自由もある」と主人公に告白させるのだが…

by ihatobo | 2016-04-15 22:17