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『モッキンバードの娘たち』(ショーン・ステュアート 鈴木 潤 訳 東京創元社 2016年)

 読み切ったら、ということで読み始めたのだが、ぐんぐんと半日で半分まで来てしまった。というのも、物語のメインの家族が私の家族と、とてもよく似ているのだ。両親に娘二人はフツーに同じだが、家族中の各々の役割や力関係が、ほとんど同じである。

 現段階では何とも言えないが、物語はじめを振り返ってみると本書は、とても巧妙に構成されているのが分かる。ただ我が家では、下の娘が母に上が父についていて、この物語とは逆である。些末なことと思われるかもしれないが、少なくとも家庭は、その力関係が大切なのだ。平穏な生活のためには。
 戦後の岩波少年少女文庫の一番「ちびくろサンポ」が巻き起こした騒動を、ご存知の方もいるかと思うが、それはアメリカでも起こったことであるのを知ったし、母子の関係性の問いや子どもの教育や社会他の問題は、他国にあることを、この小説は教えてくれる。

 さて、その家庭の問題のディテールは、本書を読んでいただくとして、本書の登場人物のうち誰が<乗り手>で、どれが普通の人間として描かれているのか、堂々、廻りを繰り返すばかりで、見当が定まらない。
 しかし述べたように、母と娘たち二人の物語であることは確かで、だが途中からもう一人別の娘が登場するが、彼女が<乗り手>なのか普通の人間なのかは、定かではない。
 とりあえず、今のところは姉妹は仲良しなのだが、しばらく一緒にいると喧嘩が始まるのは、我が家と同じである。

 互いを大切に思っているのを、親の私は知っているから、何も喧嘩しなくても・・・と思うのだが・・・姉妹とは、そういうものなのだろう。本作のように、妹の方が一方的にウルサイのだ。
 今回は、この辺りで。

by ihatobo | 2016-03-25 18:15