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『婦人公論』(9/8号 長塚京三、小林聡美×井上陽水×川上未映子)

 そのあと、もったいないので、長塚と井上陽水を読んだ。
 長塚さんの「自然に」思っていたように、身体が動き、文字が書けるようになった、というのが、同世代として、実に私にも共通していてホッとした。
 そして、「もう少しあそこを」と芝居の最中感じても、それも自分なのだ、との発言にも勇気づけられた。
 陽水についても同じで、自己の創作へ向かう「孤独」は欲しいが、その他には「口出し」しないという態度も、私と共通していた。私は何かカタチを創造しているわけではないけれど。
 さて、そこで想い出すのが『Break of Day』 Karin krog&Steve Kuhnである。録音は13年10月NYC.
 大切なものだけを、ムダを殺ぎ落として作品にする。日本語の言い回しとしての「枯れた」味わいを味わえるのがこのアルバム。丁度二年前のバリッとした新作です。実はその時ミューザックの福井さんが、「今度コレだすんだけど」と言ってサンプルを置いていったアルバムである。
 このアルバムのような「枯れた」ものは日本などでは通り一辺に扱われ注目されない。私自身も村﨑×上野や長塚さん、陽水のように「シッポをつかまれるようなこと」はしないことにしよう。
 本アルバムは、そのようにして初めて店でかけられるのだ。隠して隠して、密やかに。

by ihatobo | 2015-09-13 17:13