人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『気ちがいピエロ』(ジョゼ・ジョバンニ 岡村孝一 訳 早川書店)

 郵便局、銀行の襲撃、大・少の銀行強盗。それらの犯罪旅団を率いているのが、主人公アンリ・フーフーと相棒のピエール・ルートレルの二人。
 彼らはモンパルナスで、溜り場(店)を構えるヤンを頼んでいたパリ中のヤバイ連中のなかでも飛び抜けたワル。当然、今回のヤマ(仕事)でもパリ市警察署長がお出ましになる。プロット警部だ。それで役者が揃う。
 金額の大・少、名もなきスタッフのドジ(失敗)も、なんのその。事件をめぐる知恵くらべの始まり始まり。
 ということで、この小説を背景にごく短いエピソード(場面)を一本の映画に仕立てたのがJ・L・ゴダール、その人。
 『気ちがいピエロ』(58年 仏)だぁ、さぁ、お立会い。パパン、パン、パン。
 当時は「オゲージュのゴダール先生が~」、「ゼンエーもネタ(対象)がつきたんかい~?」と言われた傑作が本作である。物語は波乱万丈、奇妙奇天烈でグングン進む。尾モ白イ(面白い)。
 ただ、映画の国内でのタイトルが「気ちがいピエロ」だったか「勝手にしやがれ」だったか、手持ちの資料では判別できなかった。
 時と場合で、使い分けたのだろうか。

by ihatobo | 2015-01-28 17:37