"気になる”新譜3枚
当番がハネて客席で知人と会話を楽しんでいるような場面で、フッと「コレ何だっけ?」とスタッフに問い合わせるのもこの種類のアルバムである。
さて、今回のイチオシはアレスキ・べルカセムの40年振りの新作。もちろんあのブリジッド・フォンテーヌ=アレスキの当の本人。
その期間、もちろんクラブでは歌っていたであろう“健在”振りを感じさせる安定した楽曲ばかり。タイトルを辞書でひくと「愛の凱旋」である。そのとーり♡
丁度彼の出自である。アルジェリア系フランス人が問い合わせてきて、「あーベルカセム、?のバルべル家のね」と当方は初めて知り、なるほどあの『ラジオのように』(71年サラバ)はそれだったのか、と納得した。
アラブ・ミュージックの基本は9拍子、11拍子で、歌詞内容は「叙事」である。日本でいえば講談の演者がバンドを持っていて、聴衆はそれで踊っているようなものだ、と考えてさしつかえない。(多分)
更に、その9が6+3、11を8+3に解釈すると、あの魅惑のダンス・ミュージックが少し解かるよーな気がする。
本アルバムはそのアラビアン・ポップである。良い。
もう一枚、こちらも少なくとも20年以上の期間をおいてソロ・アルバムを出したアーロン・ネビルの新作、『アイ・ノウ・アイブ・ビーン・チェンジド』、これも良い。何故か去年の録音というクレジットだが新譜です。
by ihatobo | 2011-06-22 10:49