二年ぶりにいーはのブログを再開することにしました。
店主に代わりわたくし木花なおこが、本の紹介やいーはにまつわるあれこれなどをUPしてゆきます。
どうぞよろしくお願い致します。
パリで生まれ、完璧なフランス語を話す日本人のバツイチシングル・マザー、マリエ。何不自由なく温かい両親のもとで育ったマリエだが、フランス人社会の中にあっては、遺伝子的な違和感をいつも持ち続けていた。
マリエが異邦人という立場なので、その違和感分かりやすかった。けれど、この社会の中での違和感は、おそらく、口には出さないけれど、多くの人が持っているものではないだろうか?
だからマリエが恋に求めるものとは、おそらく多くの人が恋に求めるものであると思った。
恋愛は人との距離感をぐっと縮めるものゆえ、誰もが恋のとりこになり得る。けれど、マリエの恋はそう簡単には進まない。
この物語は、最後の最後まで恋の行方が分からない。行方が気になって、一気に読み進めてしまった。
パリの街の描写は楽しかったが、コロナ渦のフランス社会でのアジア人への人々の視線には、アジア人として胸が痛んだ。
# by ihatobo | 2024-03-17 12:30