
赤坂にある「双子のライオン堂」にやっと行けた。実に5年越しの願い。年中無休で店をやると、どこかに行くのは難しい。で、念願のライオン堂で手に入れたこちらの一冊を紹介します。
タイトル通りの4ヶ月間のアメリカ滞在記。2017年10月から2018年1月までなので、コロナ前の世界だ。私が最後に旅行に行ったのが、2018年の11月。パンデミックのあと、旅行は普通になったけれど、私の旅の記憶は2018年でストップしたまま。
それが良かったのか、ハーバード大学のライシャワー日本研究所に客員教授として滞在するという、知る由もない環境にも関わらず、スゥーと読み終えた。
著者が撮影した白黒の写真、食べ物が多いけれど、滞在場所の風景や部屋、参加したパーティー等が数ページ毎に挟まれている。写真も良かったけれど、食べたものについても、出会った人についても、著者の描写は印象的だった。
例えば――物静かで、何か途方もない諦めを通過した人のような印象を受けた。というか、まだ諦めのただなかにいるのか、もう通過してしまったのかがわからないような。――
無理にオチをつけたりしないで、余白をたくさん残す感じがスゥーと読み終えた理由かもしれない。
読みやすくはあるけれど、哲学的な部分はやはり難しくて分からなかった。
スゥーと読んでいるつもりが、いきなりガシッと捕まれて、深みに潜って行くような箇所もいくつもあった。豊かな読書体験でした。
# by ihatobo | 2024-07-21 11:23