# by ihatobo | 2021-04-10 11:55
桜も咲き、やっと春らしくなってきたと思ったら、すぐ寒の戻りが来て、そういえば去年は雪が降った、と思いだした。温暖化、天候不順と言われるが、概ね季節は巡っているようだ。
今回、巡ってきたのはフランス文学者であり、映画評論家でもある著者の映画論。告知で知って、すぐに取り寄せを頼んだのだが、少し手間取った。もしかして、売れているのかも知れない。
ジャン・リュック・ゴダールにインタビューした記事を見て、私は衝撃を受けたが内容は覚えていない。筆者の小説も読んだが、なんか古くさい物語だと感じただけで、あまり、その印象に残っていない。一方、彼の映画に関する文も、そんなに面白いと思ったことは、なかった。
それが、彼に対する印象であったが、今回は一部分に驚いた。そんな風に、長い期間に渡って関心を持ってきたものの、何に関心があったのか、自分でも不明。メディア論の講義を受けたこともあるし、大学の責任者を引き受けて、全国に改革を拡げたことも知っている。
しかし、私にとってはインディーズの映画人達の情熱に、いちいち付き合い、寄り添っている姿勢が好ましかったのだろう。本書でも、それらが述べられていて、誠実さが伝わってくる。学問・学究や映画研究は、同じ仕組みで出来ているのだろうか。言葉遣いも、ある種の種類の古くささがあって、対象の映画を批判するにも、上品で好感が持てた。
# by ihatobo | 2021-04-09 10:09
本書は、「現代音楽」の歴史(書)だが、この「現代音楽」とは何かというと、それを知る人、あるいは聴いたことがある人は少ないのではないか、と思う。私自身は長い間、ジャズを主にレコードで聴いてきたので「現代音楽」が何か、というのは知っている。
しかし、本書をざっと眺めると、とんでもないことが分かった。大体「現代音楽」という時代区分でさえ、明確ではないのだ。本書の帯に書かれている通り、『楽しい音楽』とは何かとなると、一般には毎週のヒット・チャートだし、レコード店の新譜コーナーに行くと分かる、ということになる。
つまり、対象が音楽であるために、音源を聴くというのが、「新しい音楽」を知るための必須の作業。つまり、現代のひとつ前「近代」ならば、逆にレコードはなかったが楽譜があった。それを音楽家たちは、「読む」ことができた。(実際に彼らは、それを頭のなかでならすことができる)
という訳で「音楽」に関する事柄は、あらゆる方面に拡散するようになった。
興味のある方には、良い本です。
# by ihatobo | 2021-04-02 17:32