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『現代思想入門』(千葉雅也 講談社 現代新書 2022年)

 本書に頻出するジャック・カランは、本来なら精神科学の医師だが、その哲学的言説は説得力があり、私は比較的多くの記述を読んでいるので、それを大切にしながら本作を読んだ。

 それはそうとして、カランの記述は複雑で、簡単に解説できるものではない。しかし、その不可能性自体が記述を推し進めていく、というタコ足配線のようになっていて、何度も読み返していると調子(ビート)が出て来る。そうすると、読む者は調子付いて楽しくなる。という仕組みになっている。

 その他に、本作の記述で大変魅力的なのが、

――それがすべての自立の始まりなのです。(…)偶然性です。母なる偶然性です。(…)――

という記述。

 この箇所を読むと、店の運営と全く同じだと思える。哲学っていうのは面白いのだ、ということです。

 オススメできる本が、また1冊見つかったと思いました。


# by ihatobo | 2022-05-11 09:28

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# by ihatobo | 2022-04-22 09:00

『現代音楽』(アンドレ・オニール 著 吉田秀和 訳 白水社 クセジュ文庫 1956年)

 音楽一般の3つの要素といえば、リズム、テンポを中心とした時間に関する軸、施津を中心に据えた線的な部分と、それらが重なり交差して生まれる和声になる。

 ジャズは、そのリズムを中心にしたアクセントや小節のアレンジを、本領発揮として展開されている。しかし、それはたかだか100年ぐらいのもので、本書「現代音楽」のように現代は、そう呼ばれてから既に久しい。

 その期間(100年)に、音楽は民謡、ポップスから西欧のクラッシックまで様々。本書は、そのクラシックを扱っているのだが、現代では世界の色々な地域で、その地域の歌、楽曲が日々、生まれている。私達の店でもジャズからワ-ルドミュージック、つまり近代音楽以降を丁寧に鳴らしている。

 本書は、つまりポスト・モダンの音楽を扱い、楽曲の分析もされており、内容の裏付けもされている。私は年代的に、これらの音楽が作られた頃に生まれ、その後、学校で習った世代に属する。

 中学に入ってからはレコードをかけ、解説するという教師がおり、サウンド・トラックやヒットナンバーに混じって、本書に出てくるハチャトリアン(剣の舞)やニーノ・ロータなども流され解説した。

 丁度その頃は、ビートルズが世界へ飛び出した時期だから、そのレコードもかかったかも知れないが、覚えてはいない。高校に入ってからは、来日公演もあり英語が得意な生徒が、歌詞を読んで(発音して)特別授業が行われたこともあった。(つづく)


# by ihatobo | 2022-04-19 10:25