『長子』(五母田 達成 ディスカバー・トゥエンティ―・ワン)

 本書に述べられている内容を、最初に知ったのは45年前だろうか。TVのバライティ番組だった。その時は、家族で楽しんで観ていた。そのうち、本になるだろうと思っていたので、しばらく忘れていたが、書店のベストセラーのコーナーに、平積みされていたので買った。

 番組放映中もそうだったが、私には、思い当たることが多々あったが、読んでみて一層これは、役に立つと思った。

 実際に、スタッフたちをみていると、長くいるスタッフに関しては、その間に小さなことから大事に至るまで知っているので、本書に述べられている事柄は充分に納得できるし、そのことを著者に知らせたいぐらいである。

 逆に1年未満のスタッフには、とりあえず「長子」がどうかを訪ね、その系によって日々の言動を判断している。帯に描かれている「血液型より当たっている」は当然そうだが、この日本だけで流通している「血液型」による類型化は、いい加減やめた方がいい。何の根拠もないもないし、為政者によって差別されかねない。

 本書を紹介、推薦するが、その点を早とちりしないように。

 しかし、本当に役立つし、面白いです。


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# by ihatobo | 2017-11-24 08:21

『夜想曲』(カズオ・イシグロ)

著者初の短編集ということで、読んでみた。標題作と「老歌手」から読んだ。私が古いのか、久しぶりに小説を読んだ、という感想が残った。久しぶり、といってもサマセット・モーム、といった小説を教科書で読んで以来という意味である。

その頃に読んだのは、「走れメロス」「山椒魚」「鼻」とか、全て教科書である。それが何故か、小説らしい小説といて、私のなかに定着している。著者も自らの出自が、自分の小説を、生み出しているところがあると、述べているが、しかし、英語で書き始めたことを考えると、それは英文学である。

そんな詮索ではなく、私は文学として読み、久しぶりと感じたのは確かだ。「老歌手」は、長く連れ添った老夫婦の人生の種明かしのような、会話が主な内容。標題作「夜想曲」は老歌手と、若いサック奏者の会話。

ベン・ウェブスターとネルソン・リドルが好きそうな歌手に、若者が合わせてゆく、何とも、これがジャスメン同志の会話、ふたりの奏でるジャス、そのものという物語。

実際、曲を聴いているような良さを感じた。 それにしても、カズオ・イシグロのジャス理解は正しい。良い小説集です。エピソードも、何もかもがジャス的なのです。


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# by ihatobo | 2017-11-17 10:43

『コーヒーの世界史』(旦部 幸博 講談社 現代新書)

 本書、著者の前著『コーヒーの科学』は、新聞広告で知っていたが、そのうち図書館で探ってみよう、くらいの気持ちだった。その記憶があって、書店の新書コーナーで見つけ手に取ってみたら、どうもアレらしいということで、人に頼んで買った。

 コーヒー、とタイトルされていれば大概、手に取るのが私の常である。しかし、開いてみると大著である。コーヒーの「発生」から飲むにあたっての心構えまでが、ここに網羅されている。その心構えとは、歴史を知ること。それによってコーヒーの味が変わる、ということ。

 本書は、豊富な文献猟捕と歴史(世界史)を調べ上げ、それらを有機的に組み合わせた労作。

 関心のない方でも、読んで引き込まれます。面白い。


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# by ihatobo | 2017-11-10 09:38