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ヒミツ12号出来ました!

ヒミツ12号出来ました!
HE+ME=2 NO.12 テーマは SHE+ME=2
読んでみてのお楽しみです。
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by ihatobo | 2011-12-30 15:02 | ニューズ

看板

生来の怠惰、呑気が仕事場にまで滲み出て、看板をそのままにして34年も経ってしまった。
 途中一回修理というか改修したのだったが、二〜三年以前から看板本体を支えている枠というか脚部分の接続が、その本体の老朽によって外れるようになり、それでも ダマシダマシ 使っていたがいよいよ壊れた。
 以前店内客席を照らす電球4個が、30年間一回も切れなかったことをこのブログに書いて、物耐ちの良さを伝えようとしたが、今回はダメである。
 「寒さ」が固まった今朝いよいよ改修を始めた。今回で何回目になるのか、この店は営業中であってもノコギリをひいている場合もあり、カウンター内の床、壁、天井、柵はそれら一連の作業を経て現状に辿り着いている。
 しかし、今回は一階の看板であるために午前中の作業となった。まず丸ノコ(パワー・ソゥ)で材を切り出す。設計図、デザインは先週のうちに済んでいる。というか新看板用の材を別枠で既に整っているのだが、イマひとつ全体像が見えず、それはそれで放ってある。今回は現看板の補修である。(この段階までに既に二年経っている)
 これらが『東京の喫茶店/川口葉子』(実業之日本社.11年3月)に寄稿した私のエッセー(92P)で触れた喫茶店主の営繕係の作業である。事業所はどんなに小さくても総務部がないと日常が回らない。
 作業を始めるまでが大変で、いざ始めてしまうと、様々な不備、トラブルが起こるが、その時間は自分のコントロールで流れてゆき楽しい一時となる。職場でひとり作業しているのは貴重で仲々良いものである。
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by ihatobo | 2011-12-23 01:06 | ある日

『フロム・ゲインズブール・トゥ・ルル』が良い

 不順な気温の寒暖もようやくこの季節らしい「寒さ」に落ち着きそうだが、ここへきて当店イチ押ミュージシャンが続々と新作を発表している。
 「暑さ」が終わるはずの9月には当店が“逆”プロモーションもしたジョー・ヘンリー、ベイルートが相次いで新作を出した。お客様から知らせを受けてスグにレコード店へ問い合わせたが、2か月程入荷しなかった。The Rip Tide(ポンペイ)は、私の初の試み、スタッフに頼んでアマゾンで買ってもらった。
 店主は相変わらず店頭買いしかしない。商品を手に取った時の佇まいがいいのだ。というより、それが普通だと考えている。
 ジョー・ヘンリーのreverie(Anti)は前作に続いて限りなく日本におけるポップス(歌謡曲)に近づいて「英語だけどよく分った」だから好みではないが、この方向で大歌手たちがアルバムを造ったらどうだろうと思った。(前から試みはしている)
 そうした文脈でベイルートは限りなくYMOに近づいている(笑)。
 来日公演が終わったばかりのキップ・ハンラハンも第一作から追い続けているが、新作At home in Angerは久々に生々とした息吹を感じた。
 その第一作Coup de tete(81年)にコメントを寄せたボブ・ブラメンサルは、それを「隣人たちの音楽」と呼んでいるが、キップが以来「伝統的な抒情詩と物語」を糧として30年を過ごし、その灰暗い過去を現実の溢れるリズムで奏で続けているのを私は好ましく思っている。(当店の100枚のアルバムには彼のDeep rumba ewac-1036、96年と02年のシルバーナ・デルイジYo! Ewac-1025が入っている。とても良いです)
 ところで今回のイチ押しはセルジュ・ゲインズブールの末男ルル・ゲインズブールの「フロム・ゲインズブール・トゥ・ルル」(ユニバーサルUCLL1206)。彼はあのバンブーとの子で彼女の「メイド・イン・チャイナ」のカバーで抱かれていたルルということです。これがもの凄く良い。多少取り散らかっているものの潔さがみなぎっていて嬉しくさせてくれる。
 このアルバムも既に当店の新譜セレクターであるKさんに教えられた。彼は当店34年のうちの33年間を通ってきてくれる。
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by ihatobo | 2011-12-17 22:10

『ジョニー・ザ・ラビット』東山彰良 双葉文庫と『再起動せよ、と雑誌はいう』中俣暁生 京阪神エルマガジン

 探偵ものは犯人捜しや総じていえばナゾ解きの物語りである。(逆にいえばナゾ=他者がなければ物語りはない)
 しかし、本作はそれが“ハードボイルド”仕立てになっていて物語りの速度が速い。(展開の遅いハードボイルドはシンプルに推理小説という)
 で、ハードボイルドは、普通クサくていえないようなセリフやフレーズが出てきても違和感なく読めてしまうのがいい所だ。
 本作で出てくる詩的なフレーズや哲学的な真理もごくすんなりと気持ちに落ちてくる。
 加えてこの物語りの主人公は兎である。
 この設定が、また記述をやり易くし普通の小説の困難を難なく通り越せるものにしている。(多少のジミックは隠れているが、うまい)
 そうした意味でこの小説にはたくさんの使えるフレーズが盛り込まれていて楽しい。そして、兎対人間の確執や、どちらかといえば兎の味方っぽい作者のスタンスが、いわゆる文明批判になっていて好感を持った。
 つまり、事実をそのまま生きる(抽象、時間外)兎とコトバや利害で生きる(具体、時間内)人間のやり取りの中に両者の生きる現実が進行している、という具合だ。現実は入くんでいてそれは一言ではいえない。
 「事実をないがしろにしていていいわけではないが、時に嘘をつくことも必要なんだ」このセリフはスペインの諺「人生の中でひとつの嘘が花を咲かせることがある。しかし、その花は実を結ぶことはない」と共振するし、出典はないが「時間よ、おお、時間よ/あんたをいかせたくない・・・」はポルトガルのファドの名曲だと思う。それは私をそこに「参加させて」とうたう。私は生まれて死に、時間はそれより以前と以後もあるからだ、と。
 そして作者はいう、「みんなこの世界を少しでも良くしようと思ってるだけなのにどうしてこんなにこんがらがっちゃうんだ」と。
「高揚は損だぜ」といういまの世の中で、こういう小説があるのは有難いことだと思った。決して明るく明快ではないけれど・・・
さて、今回はこの小説の解説を書いている中俣暁生さんの新刊『再起動せよ、と雑誌はいう』(京阪神エルマガジン) がよい。
主に70年前後以後の雑誌の殆どを網羅して、その読者層の分析を通じて、50年前の“消費社会”の動向と伴走した筈の文化を概観している。便利。速い。
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by ihatobo | 2011-12-07 11:03