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『ビブリア古書堂の事件手帳』三上 延(メディア・ワークス文庫)

 ある設定で交わされる会話での発言が、その後の展開のなかでその意味が発見されるのは、物語の常套だが、そのことによって登場人物のキャラクターが決定されもする。
 この物語の主人公は、その発言によって“正味”が露呈されて、なりゆき上「今すぐ(その場を)立ち去りたいという気持ち」になってこの物語は幕を閉じる。
 私にはその気持ちがイタかった。
 主人公のとおり、私には本を大切にする気持ちがない。
 いや、より正確に言えば読んだ本を手許に置いては置くが、次第に忘れられ、時が経つとどうでもよくなる、という感じだ。
 しかし物語の舞台は古書店であり、私の店同様個人の事業所なので、店主とスタッフ間の「信頼」の事柄が扱われていたのは“我が意を得る”でうれしかった。
 やはり、文を媒介にすると「信頼」を作り易い(そのためでもあるが店には同好の文芸部がある)。
 今回BGMはMY PEOPLE/Joe Zawinul(96年)ホーミー入り。同名タイトルにデューク・エリトンの69年盤(FD10112)がある。
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by ihatobo | 2011-11-12 10:54