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11年、年頭のトピクス

 10年ベスト3
 既に5ヵ月間独走している『ZAZ』が3月には国内発売される。本は文庫化した『反音楽史/岩井宏』と『不気味な笑い/J・L・ジリボン』だったが、スタッフ、文芸部員のベスト3は別表にある。
 11年、年頭のトピクス
 何といっても『冷たい熱帯魚』の衝撃!と前田健太の『ファック・ミー』発売!
 前野さんは昨秋初のワンマン・ライブが大成功で、年明けは曽我部さんとツーマン・ライブで各地を回った。今回のレコ発の店頭ライブでも圧倒的な集客だったらしく、「次は高円寺のビレバンす」のアナウンスで「中央線6号車が満員になった」全員(百名以上)が次のステージまで追いかけた、という。
 アルバムの方も、「凄く動いてます」(タワレコ渋谷売場担当)らしく、内容もよい。フォークというよりはパンクだ。(本、CDは当店でも売っています)
 あと『ジプシーを訪ねて/関口義人』(岩波新書)の出版記念トーク・イベントがありアラビック・ミュージックのライブもあったので出掛けた。
 ジブシーは放浪する民で、国家を持たず、中東~イベリア半島までに分散して暮らしている。宗教の分布ではイスラム、キリスト教圏だが、それらとも一線を画す集落の群れの総称である。
 この本はその集落をひとつひとつ訪ね、その風習、音楽、言語などを調査したレポート。
 文献資料も豊富で著者の行動力がページに溢れている。それがそのまま“ジプシー的”なのだ。驚く。
 この20年くらいの間のジプシー・ミュージックの世界進出の波を、イーハトーボもまともに被っているので、その期間の波及のプロセスも分り、大変トクをした気分にしてくれる。
 当夜のライブもやがて盛り上がり楽しい一夜を過ごした。(本書も当店で売っています)
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by ihatobo | 2011-02-19 10:01

『冷たい熱帯魚』

小熊英二さんの『1968』(上・下巻、新曜社 08年)が刊行されてから一年半がたち、世間の言説から“ナショナリズム”に傾きがちな“ノスタルジー”がめっきり姿を消した。
 実際に『ゲゲゲの女房』も“ノスタルジー”ではない「気だて」の良さ(香山リカ)が、積極的に主張されている、と私も思った。“ノスタルジー”は既にカッコ悪い。
 というのも『冷たい熱帯魚』(吹越満・出演 園子温・監督・脚本)を見たからだ。
 上映初日のテアトル新宿は各回のチケットは売り切れており、わずかな当日券で何とか入場したのだったが、それでも立ち見も出て会場は盛況だった。
 しかし、この時間の間、映画はエロス、グロテスク、バイオレンスで充ちており、観終わった私は言葉を失った。
 三、四年前に私は階段から滑り落ち脳震蕩を味わったが、それと同じであった。
 脳震蕩はその事由直後の前後約一時間余りの記憶が失われる。そのアナロジーでいえばこの映画の前後何本もの映画の記憶が失われてしまった。つまり、まだ観ぬ映画が何本も私から失われているが如き衝撃を受けた。
 「クラクラする」というのではない、受信する電話のわずかな振動で脳が揺れている、そんな静かな感じだ・・・。
 昨夜縁あって吹越さんと話をすることができ、そのことを彼に伝え、私は撮影中のエピソードを伺うことができた。それもまた大変静かな振動を私に残したのだった。
 ベクトルは過去ではなく、現在に向けるべきなのだ。
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by ihatobo | 2011-02-03 19:31