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年末、年始の営業のご案内

いつも、いーはとーぼを、ご利用頂きまして、誠にありがとうございます。
年末、年始の営業のご案内です。
31日は通常どうり、12時~深夜1時まで、
元旦はお休みさせて頂きます。
2日より、通常どうり、12時~深夜1時まで営業させていただきます。

来年もどうぞ変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。

みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。
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by ihatobo | 2010-12-30 18:27

『時間飛行士へのささやかな贈物F・Kディック』

 ようやく寒くなりいつもの調子が出てきた、と思ったら既に年の瀬である。
 過日のような雲に覆われた日、店に入ると一気に時間が戻る。この時は「ブラッド」(蘭フォンタナ883911、66年)をかける。
 設備、水回りは別として、店はその都度いくどもマナー・チェンジをくり返している。それは事業所の恒常的なメンテナンスとして一貫している。
 手に取る汁器・備品・調理具の他、家具、調度もその時々の都合によって改良、改修を施す。
 そうした店の経歴がその時消え去ってしまう。その現在あるがままの店内にいる自分だけが、世界から取り残されて、過去にも未来にも誰ひとり共に佇むもののいない存在となってしまう。
 不思議といえば不思議な意識状況だが決して珍しくはない、それは殊に訪れる。
 というのも夏に亡くなった浅倉久志による名翻訳のSF短編集「きょうも上天気」(大森望・編 角川文庫)に触発されたからだ。
 その中にフィリップ・K・ディックの「時間飛行士へのささやかな贈物」があった。
 74年初出で77年に浅倉による翻訳が出たという。この店が始まった年である。それを読んだ覚えはないが、同時期に私は小さなキース・ジャレット論を書いていて、今回K・ディックを読むと、同じような文脈がその両者に読み取れたのだ。
 そのことを附会しても意味はないが、その秘そかな共有に私は高場した。
 過去とも未来ともいえるはるかな時間から帰還する三人の飛行士が、リアル・タイムへの再突入に失敗する。しかし、三人は生きて自分たちの“国葬”に立ち向かう・・・。
 物語冒頭の布石が効果を挙げるのは、こうしたSFやミステリーには一般的だが、本作のそれも美しい。
 本ブログで度々言及する“知る”“分る”の時間軸上の関係にも連なる本作に、実に34年振りに再会したような気分である。
 と書くとやはりこじつけかも知れない(笑)
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by ihatobo | 2010-12-30 10:33

02年の『草の匂いがする声』

 前回は25年来のお客様との間に、一枚のCD(「ZAZ」)を通じて“事件”が起きたのだった。
 「新譜と新刊」を追って34年になるが、そうした偶然でもあり必然でもある“事件”を共有できるのは嬉しい。
 ただ私の方は必然の側であり彼の方はやや偶然の割合が高い。しかし、そのバランスと“事件”は因果を持たないと思う。単に「ZAZ」が良いのである。
 声、フレージング、恐らくは手練れたちのバック・アップ、それらの持つ速度が既に高速を越えられるかのような音楽を造っている。
 さてその販売当初は見逃していたアルバムを二枚、今回紹介したい。こちらはスタッフ持ち込みである。
 「反射された光」あるいは「光輝く霧」という意味の中央南部アフリカのマラウィ出身のmalia02年盤、「黄水仙」(エピック・ソニー、7092)がよい。彼女は旅先のNYでライアン・フォーリィを聴いて、そのプロデューサーであるアンドレ・マヌキアンにデモテープを送ったという。
 アンドレはバークリー音楽院出身であり、送ったテープは40曲のジャズのスタンダード曲だったらしい。私はこのテープも聞きたい。本アルバムには「インディア・ソング」の他、名曲「ソリテュード」(レディデーのサンプリング入り)ナット・コールの「キサス・キサス・キサス」が入っている。
 もう一枚はやはり02年のフレッシュ・サウンドのニュー・タレント・シリーズ『ルーツ・ブランチェス・リーブス/ジョン・エリス』。
 何故か2010年の今年、私はこうした草の匂いのする声を気に入っている。
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by ihatobo | 2010-12-11 11:09 | CDの紹介

新譜紹介「ZAZ」

“情報”収集に消極的な私は新プに関しては店頭のポップは見るが視聴して買う人で、この所それもサボりがちだったが、この「ZAZ」(ソニー・フランス、88697744732 10年)には驚いた。F・アルディ以後当りがなっかたがコレは久々の出だし3秒盤。
 この店にもう既に25年程通ってくれているSさんが、久しぶりに来店したので最速かけた。他のお客様達が去り、テーブルを片付けに行くと、珍しく彼が声をかけてきた。(彼とも25年の間注文と季節の挨拶程度の会話しかしていない)
「私もコレ買いました。(試聴機で)聞いて気に入ったので」
 この所、こそこそとジャズを聞いている私達は、この盤は共有されていないだろう、という私の予想を、彼は見事裏切ってくれた。
 というのもこの店は開店以来新譜・新刊を追って来ていて、その事情は彼も知っているのだが、この所の秘かなジャズ愛好で消極的な共有があり、それに対して、互いに嫌気がさしていた面があったのを、このアルバムが吹き飛ばしてくれたのだった。
 久し振りの呑気・元気・素直盤だ。
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by ihatobo | 2010-12-04 21:30 | CDの紹介