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アンパーロ・サンチェス『トゥーサン、ハバナ』

 発売当初60枚を売った『ファースト・オブ・ワイアー』(03年)のキャレキシコ!彼らがバック・アップしたアンパーロ・サンチェスの初ソロ作を買った。よい♡すごくよい。
 彼女の経歴を知らず、私はキャレキシコ♀ヴォーカル、という設定が当たりだと見当をつけた。それが見事的中し私は嬉しい。
 04年の日本公演を私は観に出掛け、演奏の始まる以前の楽器の運び込みや、セッティング、調整など、そこからこの夜の彼らの「仕事」は始まっていた。彼らはバンド/クルー全員でそれを作業する。
 緞帳は引き上げられており丁度『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(W・ヴェンダース監督、ライ・クーダー音楽、1999年)のオープニングと同じ趣向だった。
 それはラテン系の“コンサート”では一般的のようである。つまり、「仕事」場を造ることから彼らの作業は始まる。
 私たちの店のオープニングと同じである。それはともあれトゥーソン(メキシコ国境近くの町)からハバナとタイトルされた本作は、西語を辿る“サウス・オブ・ザ・ボーダー”を浮び上がらせている。
 アンパーロが敬愛するイブラム・フェレール(p)を求めて同じ『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のオマーラ・ポルトゥンドの参加曲もあり、作品の中心はキューバ、風景はメキシコという印象がしっかり形成されている。
 しかし、ジョー(g,vo)とキャレキシコの中心ジョーイ(ds,vo)が作るサウンドは、それらのラテン圏各地域のリズム/音色感を包み込んでおり、私の観たステージと寸分違うことはなかった。
 彼らの来日公演のフライヤーに私は短い紹介文を書いたが、その中で触れたフランスで活動するベル・オム・デュオとフランソワーズ・ブルーとも彼らは作品を作っている。それは単なるセッション・ワークではなくて、フランソワの夫で僚友ドミニク・アを中心にしたサーキットが、90年代後半からずっと機能している。
 それは更に仏/英語圏であるカナダにまで拡がっており、それが本作の『トゥーサンからハバナ』へと連らなっている。
 本作はスペイン語で歌われてるが、英訳が付してあり、前述のフランソワーズ『盗まれた季節』(P・ヴァイン05→06年)の歌詞を併せて“男の身勝手”は世界共通のようである。
 ヤン・ティエルセン、ドミニク・アの『新しい記憶』(リティウム 95年)などこの怪しいサーキットのアルバムを当店は多く集めている。
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by ihatobo | 2010-05-07 02:39 | CDの紹介