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「Elevator to the Gallows」 / Miles Davis #2

 物語りは、亭主持ちの女とその亭主の部下の間に芽生えた恋情と、その愛/倫理を軸に進行するのだが、その愛/倫理のいわば転回に偶然が絡んで筋はこみ入ってゆく。それに限度を与えるのが男の犯した“完全犯罪”で、事態は緊迫する。
 実際、このようなありがちな事件では、現実的な限度は与えられず問題は先送りにされ、同様にこみ入り、もつれるのだが、それ故にその当事者にしか理解し得ない複雑な思いが、やがて時の経過と共にいづれの時点でか解消してしまう。
 そうした現実の経過がこの作品では凝縮され哀しい、実によくできた映画に仕立てられている。結果として”完全犯罪”が崩されるのだが、それに私たちは驚かない。むしろそれは物語の結末にふさわしいはずだ。
 

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by ihatobo | 2009-06-12 00:30 | CDの紹介