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「Thelonious Monk with John Coltrane」 / Thelonious Monk with John Coltrane

ちなみに、この自分の分は一部分であると同時に、対象を、分る、分らないという風に使う日本語である。

精神分析家の土居健郎は、外国語との比較を使って、日本語の「甘え」に注目し、それを依存する対象を喪失した場合のヒトの心理状況を概念化したフロイトに倣って、精神疾患の治療法として常に念頭におくことを主張した。彼の『方法としての面接』(医学書院、1977年)では、この「分る/分らない」のコトバを使った面接による技法の解説をしていて、「日本語の「わかる」には「区別が明らかになる」という意味がある」ことに注意を促しながら、面接というコミュニケーションをコトバによる場の設定、つまり、それが「非日常的な劇である」ことを指摘してその虚構の重要性を強調している。因みに「わかる」に相当する欧米語understand, verstehen, comprendreにはこのような意味がないらしい。

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by ihatobo | 2008-02-24 15:02 | CDの紹介

「WORK TIME」 / SONNY ROLLINS

ボブ・ブルーメンサルのその後を知らなかったが、EU産のブルーノート/RVGエディションというのを見つけて『NEWK’S TIME』(BLUE NOTE, BST-84001, 1958)を買うと、ライナー・ノーツに彼の署名があった。

彼はキップ・ハンラハンのデビュー作『COUP DE TETE』(AMERICAN CLAVÉ, 1981)に短いコメントを寄せていて、この作品に“ネバーフット・ミュージック”の名を与えて、洗濯機の中で回っているのは形や用途や色が各々独自だが、同じ様に回っている、というたとえ話をそこで述べている。それから既に25年が経っているわけだが、キップもボブも変わらない。彼らのような仕事をするキカイに私はなりたい(笑)。

そこに、ヴィレッジヴォイスが96年にリストしたソニー・ロリンズを知るための5枚のアルバム名が伝えられており、それを眺めると、やはりそれは公平で、文句のつけようがない。しかし、ジャズの手法が遠く伝わった日本での国内事情を知る者には、前回のジャン・コルティについての文でも述べたように、ジャンでもソニーでも、何よりもまずその音楽家の発する音が私たちに聞こえる、ということを私は強調しておきたい。というわけで、それら5枚のラインアップはさておき、ソニーの音となれば『WORK TIME』(Prestige, 7020, 1955)である。

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by ihatobo | 2008-02-21 11:52 | CDの紹介

確定申告の余白

年が明けて落ち着くと確定申告のための書類作りが始まる。小さな事業所なので残業→徹夜ということにはならないが、普段の月よりも大部仕事量が増える。この単純作業をくり返してきて毎回感じることなのだが、出納帳なら出納帳に書き込む文字/数字の不思議といおうか、その文字/数字の質量というのか、その物質感である。

例の文字、記号における意味されるもの/意味するもの、が、この単純作業ではごく単純に取り払われて、いわばそれが単なるインクやエンピツの染みとなり、それが物質感を発生させる。

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by ihatobo | 2008-02-12 15:30 | ある日