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本棚の余白――置き放し/モノモチ

店の本棚には店名の由来というのか、賢治の全集と並んで30年間置き放しの本が何冊かある。別項でも触れたように、07年は絵本の年でもあり、ファンタジー、絵本、コミクスの類では『ゲド戦記』が輝きを放った。私は決して“物語好き”ではないのだが、J.R.トールキンの『指輪物語』(これは20年以上前に一度「前編」とクレジットされてアニメーション映画になった)と、いまはハズしてしまった『ナルニア国物語』などの映画化が相次ぎ、既に決済の終った心が騒いだ(一瞬もあった・笑)。

これらの物語本たちは、その後、自分の子供たちと再読する機会も巡って来て、私は一通りを読んでいる。それらの事情もあり『ゲド戦記』を子供たちと共に観にでかけた。映画はより一層複雑で、加えて端折る箇所も当然あり、決して快作とはいえなかったものの、何かを私は感じ取り、それが豊かなものなのか顧みる余裕はまだないけれど、強い印象を私に残した。



やはり以前『はてしない物語』も私は観たのだったけれど、『モモ』は映画になっているのだろうか? 他にも『銀河鉄道の夜』も何本も制作されているのだが、それらよりもジブリのアニメーションの方に私は魅かれる。(『モモ』は実写で映画化されているそうです)。

それから87年以来テーブルに置き放しなのが、『バナナ・フィッシュ』で、これも色褪せない。それより以前は『人間交差点』を置いていたが、それで既に25年程になってしまう。こうした処置に意味があるのだろうか?

コミクスに関してはS.S.K社の雑誌では70年以後定期講読誌はなく一貫してガロとコムだったのが、途中マンガ少年、バクなどは見ていたが、その他は殆どが、少女マンガ誌で、角川のアスカ、花とゆめ、ララの他、YOU、フィールを見ていたがKISSが出て以後はそれ一誌のみになった。と、振り返るとバブル期までは一応マンガも面白かったと私は考える。その当時は別冊、増刊を含んで月に30誌を私は見ていた。90年前後期のことで、何をみていたのか、マンガ好きにはそういう訳で珍しがられるが大友克洋は読めない。(第一作『ショート・ピース』は初出、増刊アクションで見ていたが「あァこうなってゆくのかあ」という)。

こう書いていると、アレもコレもという風になり決済した心が騒ぐのだが、りぼんのやはり増刊で出遭った水樹和香(後にぶーけで『イティハーサ』などを連載)に私はインタビューを申し込み、雑誌に長々と書いたことがある。その後80年初頭はそのりぼんでディスク紹介ページを担当、そうそうたるビック・ネームと同じ本に参加する栄よも味わった。

が、何をおいても現在進行が信条である私は、この正月に『のだめカンタービレ』をまとめて見た。あの、のだめ役の女優は何というのか、哀しさを発散する良い資質を持っていた。

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by ihatobo | 2008-01-15 02:47 | ある日