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『for ティーンズ』(「竹取物語」 木ノ下裕一 NHK番組テキスト)

 私は周囲の者から“何を考えているのか分からない”と言われるのですが、何かを考えている訳ではなく、いわゆる“物思い上ふけっている”事が多い。

 仕事中は、のんびりしている訳にはいかないから、その大半は電車の内や自分の部屋、家族との食事時に、そう言われる。

しかし、そのうち大半は以前キチンと応対したことなので、自分で思いだしたらどうだ、と思うのだが聞こえなかった場合もあるから、もう一度声を大きくして繰り返す。すると、なんで怒っているのか分からない、と返される。

つまり、私は周囲から大切に思われているから、私の発言を正確に受け止めようと質問をし、心配していると言うことになるから、会話が湧き違う。

「竹取物語」は、そうやって読んでゆくと“かぐや姫、月、神秘”というキーワードが絡み合って複雑な話になっていることが分かる。

ということは、単純に面白いのだ。なぞ解きと同様に、それまでのデータを材料に、この物語は何を言っているかを探る、という楽しさを持っている、と私には思えるのだ。

 本書の著者は最後に、それだけの裏付けを持って“どんどん物語の中に、逃げ込んで下さい”と書いている。さらに、語源解説のオチも付いている。オスオスメです。


by ihatobo | 2022-09-06 10:34