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『ハーバードの人生が変わる東洋哲学』その2(マイケル・ピュエット&クリスティーン・グロス=ロー 熊谷淳子・訳 ハヤカワ文庫 2016→18年)

 私たちは、いつ覚えたのか知れないコトバの連なり(成句)を、数多く持っていて、それに適する場面がやって来ると、ごく自然にその成句を発してその場面を区切ろうとする。

実際に発せられなくとも、ココロは何故かその成句で納得してしまう。

 調子よく事が進んでいるのに、突然思わぬメにあって、嘆息することになった、というような経験を「楽あれば苦あり」と言ってみたりする。

これは、自然に体験されたことの要約かも知れないが、出典があるかも知れない。今度調べてみよう。

 さて本書は、その出典にいきなり切り込んで人生というものを考えてみよう、という本である。それが、その1で述べたように、すこぶる面白い。どこが面白いか、というと、まず東洋思想を東洋哲学と表記していること。このことは二章に述べられている。

 ここでもいきなり、孔子とソクラテスを同じ地平におく。そして孔子の換骨奪胎(かんこつだったい)が始まる。「我田引水」ぶりがセンス良い。ソクテラス=プラトン、ドゥルーズ=ガタリの対話形式を借りて、論は快調に進む。第三章以下は、また次回にしよう。濃すぎる。


by ihatobo | 2019-02-15 10:15