『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』 栗原 類(2016年 KADOKAWA)
人は皆幸せになりたい、と願っているはずです。幸せとはなんぞや?から始まり、果たして自分は幸せなのだろうか?と自問したり、幸せは常に身近なテーマです。
この本は幸せになりたい人が読んだら、間違いなくおもしろいし、ためになる、と思います。
こうやったらこうなる、という一般論をあてはめるには難しい脳のクセを持つ著者の、なりたい自分に近づいていく姿が具体的に書かれています。
輝ける場所を見つける、というのは誰にとっても難しいことです。特に、日本で子育てを経験した方なら思い当たると思うのですが、横並びの意識があまりに強くて、とにかく子供には勉強させることが何よりも優先されるのですから、親子共々幸せについて考えているひまなどありません。
栗原類のお母さんは、20歳で海外に出て、その後、シングルマザーになった方なので、視野も広く、経験もあり、なにより、自分の幸せについて、とことん自分で考え抜くという姿勢で生きています。当然わが子にも、的外れな価値観を押し付けるのではなく、本人の好きな道を歩ませ、そのために脳のクセに合わせて相当なサポートをしてゆきます。
人のサポートが大切であること、努力をすること、心の声に素直になること、長い眼でみること等が、栗原類のドキュメンタリーを通して、具体的に分りやすく描かれています。
そして、その生活ぶりの華やかさや、ちょっとまねできない行動力、が、栗原家!ならではでした。
大変おもしろかったです。
by ihatobo | 2017-10-30 09:06