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『春宵十話』(岡潔 角川ソフィア文庫 1969-2014 改版)

 ジュリエット・グレコが来日公演をこなして帰って行った。
 新聞に載ったステージ写真を見ると、自分の過去⇔未来が混乱する。写っているのが淡谷のり子であっても、シャルル・トレネであっても、私は納得するだろう。
 パリがドゴール率いる部隊によって解放された頃のカルチェ・ラタンが、この秋に東京のステージに出現したのだ。
 マイルスとグレコの恋仲を唱った『PARIS』(マルコム・マクラーレン 94年 Vogve)の回で触れたように、「暗い満足感」に浸れる。
 が、「暗い満足感」と言っても、本作は、数学の本質を拝んだ若者が「―価函推論―Lecons sur lesfonctions uniformes」を書き上げた経験を基に更なる広大無辺の未来を指示していて明るい。
 地理的にも歴史的にも関わった人は、自由を得て解放される。
 「心丈夫」になる、と著者は言う。

 ところで、2~3年以前から私たちの店に持ち込まれているペーパー・マガジン kobutu(好物)があり、私はこのフリー・ペーパーを気に入っている。
 内容(本文)も偶然に導かれて前段の文を受けて、“好物”を軸に飛躍する。その対象(好物)の選び方も、センスがいい。スゴク
 文の全体の行数を含めた運び(レイアウト)も流れている。自然に。
今回(発行所、スタッフの固有名の奥付けデータ)を見て、ちょっと驚いた。発行日で換算すると年に一回発行。つまり本誌は年刊誌なのだ。
 ということは、毎年何部かを刷り、脚本し、その周期で2~3年以前に気が付いて私は毎号読んでいることになる。
 今回、“好物”第三者号と印刷されている。いい感じの、のんびり呑気である。
 ちなみに、私の人生の標語モットーは元気、呑気、素直である。

by ihatobo | 2014-10-25 18:34