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『カフェ古典新訳文庫』(光文社翻訳編集部 編 09年)

例年より10日程遅れて意を決して終ったヒーターをまた引っ張り出していたが、いよいよ終った。
その間、2時間くらい使ったが、今回は「秋までゆっくりお休み下さい」変な天候である。
初夏の寒さを何と呼んでいたのか、言葉が出てこない。「寒の戻り」は4月だったように記憶しているし、「梅雨寒む」はもう少し後だろう。

前回笑えた『赤ちゃん教育』の著者と、やはり仏語文の翻訳者である中条省平の対談が収録されていたので本書を読んだ。
お目当ての対談では、『小さな王子』は「徹底して孤独な大人と、徹底して孤独な子供の出合」だったという、それが私に伝わったし、冒頭の亀山郁夫による『罪と罰』(ドストエフスキー)理解もスッキリと頭に入り、私の意識もハッキリした。
私たちの店のスタッフとお客で構成されている’’文芸部”でも、最近『罪と罰』が話題になるナ、と感じていた理由も見当がついた。
「誰も本当のことを言ってくれない」は、『小さな王子』でも同じ。
亀山は、人間の苦しみや死を黙って見過ごすこと、それを「黙過」というコトバを使って本論(講演)を締めくくっている。
しかし、本書タイトルに冠された「カフェ」は、釈然としないままであった。

by ihatobo | 2014-05-28 20:58 | 本の紹介