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『GOSICKⅢ』(桜庭一樹 角川文庫03年)

気になっていた桜庭一樹のその後を知りたくて『GOSICKⅢ』(角川文庫)シリーズを読んだ。『月刊新潮』でいつだったか三人で合作した短篇を読み「何だこりゃ」と『私の男』を読んだのだったが、その後に彼女の読書日記が出て、それは興味深く読んだ。
しかし、07年の『赤朽葉家の伝説』は途中で断念してしまった。私がそれらの“幻想怪奇ロマン”を読み始めた時期だったので、恐らく私には複雑に思えたのだろう。
論理的ではない、残酷や混沌、超常が、物語の中で起こり、時間の順序や空間の重層に紛れて、欠片が各所にちりばめられてゆく。それを“塔の上”から眺めている“知恵の泉”が、見事それらに「筋を通す」。
更に、物語は奥行きをほのめかしながら終る。
本書冒頭には『不思議の国のアリス』が引かれ捧げられている。

P.S. ジョン・ケージの「4分33秒」がカラオケに入ったらしい。ツイッター上で確認された、とのこと。

by ihatobo | 2013-12-13 23:33 | 本の紹介